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次亜塩素酸水の有効性評価の途中経過が出ました! 過去の研究では5秒で?(NITE 第2回発表)

2020年5月5日

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次亜塩素酸水について、先日下の記事でNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)が有効性評価をはじめた」と書きました。

次亜塩素酸水はpHとppmの確認を! それって本当に効果がありますか?

広告 新型コロナ肺炎の影響で、ここのところ、消毒用アルコールが手に入りにくくなっています。 もともと猫を飼っているので、消毒用に無水アルコールを常備していたのですが、今までは3ヶ月に500ml1本がな ...

その検証試験の途中経過が、2020年5月2日に発表されました。

使用したウイルスは、新型コロナウイルスと構造がよく似ているとされる、A型インフルエンザウイルスです。

 

途中経過(第2回委員会発表)についてはこちら:新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について、第2回検討委員会を開催しました

 

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A型インフルエンザウイルスでの検証結果は?

Q
インフルエンザウイルスではどうだったの?

作用時間1分で、インフルエンザウイルスが検出限界になりました!

これは、

  1. 強酸性 pH2.7  50ppm
  2. 弱酸性 pH3.5  42ppm
  3. 微酸性 pH5.83  30ppm
  4. 微酸性 pH5.35  40ppm

のいずれの次亜塩素酸水においても、同じ結果でした。

ただし、やはり手指消毒用としての検証ではない、とQ&Aにはありました

↓ ↓ ↓

Q4. 今回有効性評価を行う消毒方法の用途は何ですか?
A4. 原則として物品に対する消毒を想定しています。

参考:NITEが行う新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について~よくあるお問い合わせ(令和2年4月30日版)(5月2日一部修正)~

かつ、電気分解法以外の次亜塩素酸水については、検証しないとのことです。

 

何はともあれ、次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに効果がありそう、という結果となったので、次は、実際に新型コロナウイルスを使った試験に入っていきます。

 

「次亜塩素酸水のこんなことを調べてほしい!」 消費者の立場からの要望

1. もっと短い時間のものを検証してほしい

例えば、消毒用エタノールでは15秒で(おそらく)新型コロナウイルスは感染力をなくすだろうと言われています。

次亜塩素酸水についても、15秒ではどうなのか、30秒ではどうなのかを確認してもらえれば、もっと安心して使用できます。

 

2. さまざまな環境下で検証してほしい

次亜塩素酸水を家庭で使用するときに、じゃぶじゃぶ流水で使用する、というのは限られた家庭だけだと思います。

普通は、スプレー容器での吹きつけ・布やペーパーに浸して拭きあげ→ 拭き取りが多いですよね。

  • スプレーでの噴霧
  • 次亜塩素酸水を浸したキッチンペーパー等でのふき取り

についても、大丈夫なのかそうでないのかがわかれば、ありがたいです。

 

3. 酸性だけでなく「中性・アルカリ性の次亜塩素酸水」でも検証してほしい

今回のpH2.7~5.83では、いずれもウイルスは検出限界値まで減少しました。

これが、pH6や7ぐらいの中性や、pH11ぐらいのアルカリ性ならどうなるのか、ということも併せて検証してもらえたら、もっと使える幅が広がります。

追記

2020年5月21日の第3回委員会で、以下の14種類の次亜塩素酸水について検証を行う予定と発表がありました!

参考:新型コロナウイルスを用いた代替消毒候補物資の有効性評価にかかる検証試験の中間結果について/資料3(表紙除く7ページ目) ※ PDFが開きます。

カテゴリー電解質pH有効塩素濃度(ppm)
強酸性電解水NaCl2.550
25
弱酸性電解水NaCl350
425
微酸性電解水HCl550
625
微酸性電解水HCl+NaCl550
625

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過去に次亜塩素水が「5秒でインフルエンザウイルスを不活化する」とした研究発表があった

1999年の「各種病原微生物に対する弱酸性電解水の効果」という研究発表(1)によると、弱酸性電解水と強酸性電解水のウイルスに対する不活化効果(2)の検証結果が載っています。

 

それによると、A型インフルエンザウイルスに対して、pH5.0 50ppm及びpH2.5 30ppmの電解水(次亜塩素酸水)が、5秒以内で検出限界となり、不活化効果を示した、となっています。

これが、再確認されたら、安心して次亜塩素酸水を使えますね!

 

また、同ジャーナルには、

  • pHが上昇するにつれて、次亜塩素酸(HOCl)の濃度は低下する
  • 次亜塩素酸は、pH7.0よりアルカリ性の領域だと、塩素成分は比較的殺菌力が弱い次亜塩素酸イオン(ClO-)へ形を変えてしまう
  • pH5.0より酸性側では、pHの低下につれ、HOClは塩素ガスとなって気散してしまう

とあり、

  • 一番安定しているのは、pH5.0-6.0の間で、殺菌力も強い

(「各種病原微生物に対する弱酸性電解水の効果」より抜粋)

と記載されています。

つまり、pHが高くなる=アルカリ性へ近づくほど、次亜塩素酸は減少し、pH7.0を超えてアルカリ性を増すほど、次亜塩素酸ナトリウム水に組成が近づいていく、という解釈かと思います。

くわしくはこちらをご覧ください

↓ ↓ ↓

(PDFが開きます)
各種病原微生物に対する弱酸性電解水の効果(環境感染 Vol.14 no.4 1999)

 

(1)各種病原微生物に対する弱酸性電解水の効果(環境感染 Vol.14 no.4 1999)
(2)上記PDF 5ページ目・表5

 

こちらでは、次亜塩素酸水を保存した場合の有効期限についての検討結果(表3)や、手指についての除菌効果の検討結果(表7)などについても言及されていて、とても興味深いです。

専門用語が多いですが、気になる方はぜひ。
(噴霧についても載っていますが、個人的に「噴霧はしたくない派」なので、ここではとりあげません)

 

ご注意

論文(ジャーナル)については、発表されているものすべてが正しいというわけではありません。あくまでも研究結果の発表であり、時間をおいて反証論文などが出てくることもあります。研究結果に関しては、それぞれが個人の責任でご判断ください。

 

2020年5月26日追記:電解でない次亜塩素酸水も評価の対象に!

2020年5月22日に発表された第3回委員会で、界面活性剤の新型コロナウイルス不活化効果について、たくさんの家庭用洗剤がアルコールの代替手段として有効、と報告されました。

これは非常にありがたいです!

アルコールのように吹きかけてそのまま、という使い方はできませんが、洗剤液を作って漬ける → 洗い流すだけでOKと、かなり消毒作業が楽になります。

こういう評価試験は、すべての人に恩恵をもたらしますね。

 

今後の評価試験では、

  • 電気分解法で生成次亜塩素酸水4 種について、引き続き検証試験を実施する。
  • 市場の実態に合わせ、上記4 種に加えて電気分解法以外で生成した次亜塩素酸水についても、検証試験の対象に追加する。

とのこと。

個人的には、長期保管しやすい粉タイプなどの検証結果が気になっています!

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