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先日、書店に行ったときに「料理レシピ本大賞」の特集コーナーがありました。
その中に、目を引くキレイなイラストのレシピ本がありました。
手に取ってパラパラとみているうちに、店頭であやうく泣きそうになってしまいました。
会う人みんなにすすめたくなるぐらい、すごくおすすめです。
ぜひ一度読んでもらいたい。
第9回 料理レシピ本大賞 in Japan コミック賞受賞「泣きたい夜の甘味処」
とある町に、ひっそりとたたずむ一軒の甘味処。熊と鮭が営むこのお店は、夜だけしか営業していません。
提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。夢をあきらめた夜、
愛する人を想う夜、
自分のことが嫌いになった夜。
―そんな夜は、この店で涙を流してもいいんだよ。主人公たちが知らない、もうひとつの視点から綴った描き下ろし52Pに加え、11のお菓子レシピがついています。
もくじ
・疲れ果てたビジネスマンと昔ながらのドーナツ
・会社を辞めたOLさんといちご大福
・落ち込んだ新人さんが干し柿を拾う話
・夫を亡くした奥さんと梅酒ゼリー
・私だけのパフェ
・ギャルとばあちゃんとマフィン
・がっちゃんのココアクッキー
・心配性なお母さんとバナナケーキ
・緑のライオンと栗きんとんのパイ
・3人の青春とプリン
・夕暮れのチーズケーキ引用:泣きたい夜の甘味処より
コミックで語られるエピソードは、どれも泣けます。
Amazonのカスタマーレビューにもありましたが、悲しいのではなく、琴線に触れるような感じ。涙には浄化作用があると言います。読み終わった後は切ないですが、それ以上に心が潤う感じがします。
一つのエピソードには、対となるお話(アナザーストーリー)があるのですが、この二つをセットで読むと「ああ!」と腑に落ちます(そして余計に泣いてしまいます)。
私は「夫を亡くした奥さんと梅酒ゼリー」で涙が止まらなくなってしまいました。
「夫を亡くした奥さんと梅酒ゼリー」のあらすじ
あらすじ
長年連れ添ったご主人が闘病の末、亡くなった後、「早く立ち直らなきゃ」と思っていた奥さん。
でも、そう思えば思うほど、いつのまにか息がうまく吸えなくなって、何かを食べたいと思わなくなってしまいます。
そんな時、雨宿りをしていたら、甘味処の店主(熊)に声をかけられます。
店で店主は奥さんに梅酒ゼリーを差し出します。
長く寝かせた梅酒を使ったというそのゼリーは、不思議とスルっと奥さんの喉を通り、久しぶりに「おいしい」と感じられました。
「梅酒は飲むタイミングを決められるのがいいですよね」
「作った人が納得のいくタイミングで飲めばいいんです」
と奥さんに店主は伝えます。
「全部飲みこまなくていいこともあるんですよ」
と。
食べ終わった奥さんは雨が止んだ店の外に出て大きく深呼吸をします。
そして、ご主人が亡くなった悲しさを無理に飲み込まず、「とことん寝かせて飲むタイミングを自分で決めよう!」と思うのでした。
このお話のアナザーストーリーを読むと更に泣けます。
この本は一つ一つのエピソードが深くて、切なくて、優しいです。
お菓子のレシピもおいしそうで、イラストがとても素敵です。
ぜひぜひ読んでほしいおすすめの本です。