広告
前回は、怒りの「体質改善」をもたらすアンガーログについて記事にしましたが、今回は怒りの「対症療法」のお話についてです。
怒りを病気に例えるなら、投薬治療にあたる「対症療法」は、とっさの怒りにどう対応するかというテクニック。
怒りに対処するテクニックにはいろんな種類がありますが、今回はその中から自分が実際に試して効果があったものをご紹介します。
"タイムアウト
イライラすることがあった時や、自分が怒鳴りだしそうになった時に、とにかく一度その場を離れる方法。
離れるのは、ほんの十数秒でも構いません。
「怒りを感じた場所から別の場所へ移動する」というのがポイントです。
体を動かすことで気持ちを一度リセットします。
離れたら、深呼吸や数を数えるなどを行うと効果的です。
ただ、子供に対してタイムアウトをとった場合、小さい子だと泣きながら追いかけてくることがあります。
以前、トイレに移動して鍵をかけたら、「開けて~!!」と泣きながらドアをバンバン叩かれて、かえってイライラしたということもありました。
そんなタイムアウトがきかない子供に私がよくやっているのがこちら。
「落ち着いてからお話ししましょう」
と宣言するのです。
泣き叫んだり、ダダをこねて普通に話ができなくなっている場合に有効です。
これを言って子供がすぐに落ち着くわけではありません。
むしろ、泣きやまないことの方が多いです。
では何がいいのかというと、「自分が」冷静になれるのです。
子供も、落ち着くまでは親が話を聞いてくれないということがわかると、子供なりに一生懸命落ち着こうとします。
そして、お互い話ができるようになったら、
1.「落ち着いてくれてありがとう」と言う
2.子供の気持ちを聞いて「○○はこう思ってるんだね」と共感する
3.でも無理な時は、「○○の気持ちはよくわかるけど、でも(こういう理由で)無理なんだ。ごめんね」と言う
という手順で進めるようにしています。
もちろん、いつもいつもうまくいくわけではありません。時には、あんまりにもしつこく泣かれて、「落ち着いてお話ししましょう!!」と、この時点ですでに怒ってしまっている時もあります^ ^;
ただ、「こういう風にする」という手順がわかっていることで、同じような状況になっても、怒り100%で対応していた頃より、明らかに怒る頻度が減っていると感じます。
"ストップシンキングとコーピングマントラ
タイムアウトは怒りの対処に有効なテクニックですが、面と向かって小言を言われている時や、接客業で客のクレームに対応している時などは、その場を放り出して逃げ出すわけにはいきませんよね。
そういった時には、ストップシンキングやコーピングマントラを使うといいと思います。
ストップシンキングとは?
ストップシンキングとは、文字通り思考を止めること。イライラすることが起きて、怒りの反応を返してしまう前に、頭の中で1、2、3と数字を3つ数えて、思考を切り替えるテクニックです。
怒り→カーッとなる→行動を起こす(かんしゃくを起こす、怒鳴る、キレる、敵対的な態度を取るなど)のは、感情的な条件反射です。
その条件反射に従って行動を起こしてしまう前に、脳の思考系を優位にして、冷静さを取り戻そうというのがストップシンキングの目的です。
コーピングマントラとは?
コーピングマントラとは、怒りそうになった時に唱えるマントラ(呪文)を決めておくというもの。
イライラや怒りの種類に応じて、あらかじめいくつかの言葉を用意しておきます。
例えば、「子どもが変わる 怒らない子育て 」の本の中では、非常に難しい状況になってイライラしてしまう場合に備えた言葉として、著者は次のようなものを挙げています。
「きっといい方法があるはずだ」
「神様が私を試しているに違いない」
「これはちょうどいい!」
これをイライラしたり、怒りそうになった時につぶやくのだそうです。
ちなみに、私がカーッとなって子供に怒鳴りそうになった時によく使っているのは、
「ちょっと待って! 落ち着いて!」
です。
何の変哲もありませんが、ハッと我にかえることができます^ ^
コーピングマントラもストップシンキングと同様、感情系にストップをかけ、思考系を取り戻すのに役に立ちます。
これらは、「怒りそうになったらこうする」という「条件付け」を怒りのメカニズムに組み込むことで、怒ったら感情のままに行動するという反射をストップさせる、言うなれば「ブレーカー」ですね。
これを上手に使えば、怒りを感じても、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす、相手を攻撃する、などの感情的行動を起こす回数が減ってきます。
まとめ
これらのテクニックは、いずれも、「子どもが変わる 怒らない子育て 」 著者:嶋津良智にある方法です。
怒りに対処するテクニックには、まだまだたくさんの方法がありますので、その中から自分にあったものを実行していくといいと思います。